「よろしくお願いいたします」と「宜しくお願い致します」はどちらが正しい使い方なのか?
人にお願いする時の言葉として「よろしくお願いいたします」「宜しくお願い致します」という言葉があります。
皆さん、この言葉を文字で記載する際、ひらがな表記を使用していますでしょうか?それとも漢字表記を使用していますでしょうか?
自分の職場では、仕事上のやり取りを口頭ではなく基本的にチャットで行っているのですが、この言葉を多用します。
使用比率で言うと、ひらがな表記と漢字表記の人が半々といった感じです。
ひらがな表記を使用している方、漢字表記を使用している方双方、その時の気分ではなく毎回同じ表記を使用し続けていて軽い派閥ができています。
ひらがな表記と漢字表記はどちらが正しい使い方なのか
一見すると漢字表記の方がキッチリしていそうで正しい使い方のように見えます。
それとも、ひらがな表記が正しいんでしょうか?どちらでもいいんでしょうか?
結論から言いますと「よろしくお願いいたします」(ひらがな表記)の方が正しい使い方であるということになります。
先ず「宜しく」の漢字表記ですが、本来の「よろしく」という意味は入っていないのです。
「よろしく」という言葉に「便宜」や「適宜」という意味が込められており、「宜」という文字を当て字として使い始め、現在でも間違って使われているだけなのです。
また、常用漢字表では「宜」に「よろ」の訓の読みは存在せず、表外訓のみの読み方となっているため、本来であれば日本語としては成り立ちません。
次に「致します」の漢字表記ですが、こちらの漢字表記は動詞として使われます。
「致す」という言葉は、そのことが元でよくない結果を引き起こすといった意味で使用されるため、本来の意味や使い方とは違ってきます。
よく使われる言葉として「不徳の致すところです」などが挙げられます。
一方、「いたします」のひらがな表記は補助動詞として使われ、「する」の謙譲語になっています。
「お願いする」などを丁寧に言う際に使用しますので、こちらもひらがな表記が適切ということになりますね。
おさらいすると以下のようになります。
◎ よろしくお願いいたします
× 宜しくお願い致します
公文書を作成する際や大手企業のお客様相談室などでは、どちらも必ずひらがなで表記されています。
正しい日本語を使いたい方や社会で恥をかいたくない方は、ひらがな表記を使用した方が無難かと思います。
自分が今の職場に入社した頃は9割の方が漢字表記でした。
数名ひらがな表記の方が居て、何故いつもひらがな表記なんだろう...?という疑問から調べてみたのです。
ひらがな表記が適切であることを知ってからは漢字表記は一切使わなくなりましたが、違いに気付き疑問に持つことや調べることは大事だと感じました。
周りが使っているからという理由で、間違った日本語が浸透しなければいいですね。